レーザーによる肝斑治療

当クリニック併設のメディカルエステでは、肝斑のレーザー治療を行っています。

これまで通常のシミ対策と同じようなレーザー治療をすると肝斑は悪化してしまうといわれ、レーザー治療は行わないのが常識でした。

そのためレーザー治療では、「いつかは肝斑も!」と期待されていました。それが目覚しいテクノロジーの進歩もあって、肝斑治療の画期的な手法としてレーザー治療が注目を集めるようになりました。

メディカルエステでは、北海道で初めて米国のキュテラ社が開発したネオジミウム・ヤグレーザー(マイキュー:デュアル)を導入しましたが、同機によるトーニング治療が肝斑を大きく改善する効果をあげています。

肝斑(かんぱん)とは?

大きく分けるとシミの一種ですが、成人以降、前額や両頬に左右対称に発生するのが肝斑です。

形状は多様ですが、褐色で砂を撒いたような色素斑シミで、ほとんどが女性に発症します。肝斑の悪化要因としては、日焼けや乾燥、ストレス、摩擦などがあげられますが、様々な要因が絡み合って発症します。一概に肝斑と見分けることは難しいですが、下記の特徴がみられます。

  1. 頬骨、額、口の周辺に左右対称に出来ている
  2. 目の周辺にはできず、色が抜けたように見える
  3. 境界が明確でなく、もやっとしてる
  4. シミが季節や体調によって色の濃さが変わる

主に女性が発症するのは、日頃からフェイスマッサージを行っている人や妊娠したことがある、あるいはピルを飲んでいる人が発症しているからで、このほか強いストレスも肝斑の発症の要因と考えられています。肝斑は女性ホルモンが活発な30代~40代で出来る事が多く、60代などではほとんど見られません。そのため妊娠やピルの服用などで肝斑を発症するのは、女性ホルモンのバランスの乱れが関連しているとも考えられます。

女性ホルモンのバランスが崩れ、表皮の9割を占める細胞(ケラチノサイト)が刺激され、プラスミンという血液や血栓を溶かす働きをする分解酵素が増え、メラニン色素を作り出し、シミとなって現れます。また、紫外線を浴びてできるシミと違い、肝斑は紫外線に当たらなくてもできますし、洗顔やマッサージなど、肌への刺激も肝斑を悪化させる要因になります。通常のシミ対策の美白スキンケアを使っても治すことができません。

肝斑の治療法

治療法として最もポピュラーなものは、トラネキサム酸を配合した薬の内服です。トラネキサム酸は、肝斑の原因とされるプラスミンの色素生成を抑制する効果が謳われてます。内服ですから手軽ですが、抗プラスミン作用のある薬ですから、無制限に継続することは避けるべきでしょう。効果が出るまでの内服期間はおよその目安として3ヶ月です。外用療法(塗り薬)では、ハイドロキノンやトレチノンがあります。ハイドロキノンはメラニンの産生を抑制する働きがあります。

また、トレチノインはニキビ、シミ、しわに効果的とされ、ハイドロキノンとセットで使うとシミも改善します。ただ肝斑の患者さんの肌は刺激に弱く、濃度や投与量が多くなると刺激性皮ふ炎を生じやすくなり赤みやかゆみを伴うこともあります。このほかにエレクトロポーション機器(電気穿孔機器)を用い、肌に短く強い特殊な電気パルスを与える治療があります。

レーザー治療で改善も

メディカルエステは他の一般的なエステとは違い、医療従事者でなければ扱えない、治療効果の高い機器を使用しているのが特徴です。

ネオジミウム・ヤグレーザー(マイキュー:デュアルーQスウィッチNd:YAGレーザー)は高度管理医療機器で、老人性色素斑や太田母斑、日光黒子などの、幅広い疾患に対応しており、特に体表面の刺青と肝斑を含む色素性病変の蒸散及び除去に高い効果を発揮します。均一な照射と2つ(532nmと1064nm)の波長により表在性から深在性まで幅広い疾患に対応するほか、ショット数をカウントできるパルスカウンターを採用しており、低い設定で数回照射するトーニング治療を行います。

肝斑の中でも色素沈着のはっきりした、色の濃いものには特に有効です。治療期間は1週間毎であれば、2ヶ月が目安です。従来の治療法では手詰まりだった肝斑患者さんがレーザー治療で間然したケースもあります。お悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。